2011年9月29日木曜日

TAXi - Gerard Pires(1997)

 前回紹介した「ミニミニ大作戦」は、イギリスの泥棒たちがイタリアの警察を相手にカーチェイスをする話でした。
 となれば、次はこれ。フランスのプジョー(TAXI)とドイツのメルセデス・ベンツ(強盗団)がマルセイユの街を疾走する独仏対決が見物です。
 鮮やかな手口の強盗団に対するダメダメな警察という構図は定石通りですが、そこで登場するお助けマンがスピード狂のタクシー運転手というところがミソ。圧巻は、彼の前職だったピザ配達仲間たちの応援も得てメルセデスを追い詰めるラスト。海に落としたり横転させたりと殺伐とした絵になりがちな決着を、あっと驚く見事な方法できれいに片付けたところには思わず拍手を送ってしまいました。
 シリーズは第4作まで続いていますが、以降、空を飛んだり雪山を走り降りたりと暴走モードに入ってしまうところが、(それはそれなりに面白いのですが)、ちょっと残念です。
 全く同じ脚本でフォード対BMWの米独対戦にしたリメイク版"TAXI NY"(2004)では、主要人物の男女が入れ替わってセクシー美女強盗団がかっこいい走りを見せてくれました。ちょっと鼻の下が伸びましたね。

2011年9月27日火曜日

Seven Times Seven(新・黄金の七人 7×7) - Marco Vicario(1968)

 前回からのサッカーつながりで、この映画を思い出しました。
 刑務所に服役中の7人が、「おとなしくサッカー中継を見ている」ことになっている90分の間に脱走して造幣局に忍び込み、本物の紙幣を刷ってまた刑務所に戻り、出所後に大金をせしめる(はず)という痛快なコメディ映画です。
 奇想天外かつ巧妙な手口と、ハラハラドキドキなのに笑っちゃう展開。音楽もおしゃれです。シリーズ前2作でお色気を振りまいていた、「ルパン三世」でいえば峰不二子にあたるロッサナ・ポデスタ(Rossana Podestà)が出演しないのは残念ですが、面白さは一番かな。
 ところで、この映画はイタリア映画でしたが、この翌年に発表されたその名も"The Italian Job(イタリア人の仕事)"というイギリス映画(邦題:ミニミニ大作戦)も小粋ないい映画でしたね。かわいいミニMK IIが街中や地下水道を疾走するカーチェイスが見物でした。
 ルパン三世が好きな方なら、どちらも気に入ってもらえると思います。

2011年9月25日日曜日

The Sting - George Roy Hill(1973)

 来年(2012)のロンドン五輪に向けて、先に予選を通過した女子に続いて男子のアジア最終予選も始まりました。スタジアムに響く応援歌を聴いて、「良く耳にする曲だけどなんだっけなぁ」と考えていたら、なんと、映画「スティング」のテーマ曲"The Entertainer"じゃないですか。
 あの洒落たラグタイムの名曲と、うぉううぉうと野太い声で選手を鼓舞する歌が同じだなんて…、衝撃でした。
 甲子園の応援歌でも「なんで、ひみつのアッコちゃん(すきすきソング)なの?」とか思うことがありますが、この選曲も不思議です。
 それはそれとして、「明日に向って撃て!」(1969)に続く監督ジョージ・ロイ・ヒル、主演ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードのこの映画はいい映画でしたね。全体に流れるおしゃれな雰囲気と、ハラハラ・どきどき・ニヤリ・わっはっはと何度見ても目の離せないストーリー展開。そして、なんといっても主演二人の味のある演技が素敵です。
 ポール・ニューマンの人を食ったようなニヤリ顔。何十年経っても忘れられません。