2012年11月30日金曜日

Home for the Holidays - Point Of Grace (2010)


 クリスマスは「イエス・キリスト生誕の日」という宗教的な日だというのに、クリスマスパーティーだの恋人とのデートだのと浮かれて、まったく今の若いモンは何を考えておるのだ、けしからんとお嘆きの貴兄に、Contemporary Christian musicという分野に属する女性グループPoint of Graceのクリスマスアルバムをどうぞ。
 Christian music(教会音楽)というから荘厳なゴスペルかと思いきや、'70~'80年代に一世を風靡したコーラスグループABBAのような軽やかで明るい歌声に驚かされます。ジャケット写真のとおりのPOPなアルバムです。
 バンジョーの伴奏で始まる"White Christmas"や楽しい"A Holly Jolly Christmas"、傷心の人々をも温かく包み込む"Immanuel"など、宗教的な敬虔さと「お誕生日パーティー」の楽しさがほどよくミックスされた素敵なカントリー音楽のクリスマスアルバムです。

2012年11月27日火曜日

Tinsel & Lights - Tracey Thorn (2012)

 TVでELT(Every Little Thing)がLTEのCMに出るかでないかでもめています。というか、それがCMなので「なんだかんだ言っても出てるじゃん」というのがオチなのですが。
 それでこれです。
 Everything but the GirlのVocal、Tracey ThornのSolo Holiday Albumがでました。
 オリジナルは2曲だけなのですが、カバーされているのは普段のクリスマスにはあまり聴かない曲ばかり。比較的有名なところではJoni Mitchellの"River"、Dolly Partonの"Hard Candy Christmas"。一応、Judy Garlandの"Have Yourself A Merry Little Christmas"もカバーしていますが、全体的には神の祝福や世界の平和、子供達の楽しい時間とは関係なさそうな歌ばかりです。どちらかというと、少し悲しい雰囲気かも。
 しっとりと歌う彼女の歌声がとても耳に優しい。静かで落ち着いたクリスマスの夜にピッタリです。一人の夜に聴くと、いろんなことを思い出して少し泣いちゃうかも。
 ところでEverything but the Girlというグループ名ですが、彼らが通っていた大学の近くにあった家具屋さんのスローガンからとったのだとか。
 「あなたのベッドルームで必要な物は全て当店で揃います、女の子以外は。」
 そういう雰囲気のクリスマスの夜にこのCDを聴いたらダメですよ。

2012年11月24日土曜日

Grp Christmas Collection 1 - Various Artists (1988)

 それとは知らずに買ったLP時代の"December"(George Winston)を別にして、たぶん、初めて手にしたクリスマスのCDがこれだった気がします。音楽のジャンルに"Holiday"というのがあるのを、初めて知ったのもこの時でした。
 Grpに所属するJazz/Fusion系のミュージシャンたちによるオムニバスアルバムです。それまでJazzは小難しくて辛気くさい音楽、FusionはPopsに媚を売った軟弱なJazz、なんていうおかしな評価を持っていたのですが、このCDと出合い、Lee RitenourやDave Grusinなどの名演を聴いていっぺんで虜になりました。
 2曲を除いてインストゥルメンタルですが、定番のピアノ、ギターのほかにもフルート、サックス、ビブラフォンなどなど演奏のバリエーションが多様で飽きることがありません。
 よく知られている曲やテーマをアーティストの自由な解釈で演奏するというスタイルと、クリスマスパーティなどのBGMに洒落た音楽をかけたいというニーズが合うのか、Jazz系のクリスマスアルバムには良いものがたくさんありますが、そのなかでも上位を争う名盤と言ってもほめすぎではないと思います。

2012年11月17日土曜日

A Charlie Brown Christmas - Vince Guaraldi Trio (1965)

 スヌーピーの絵に躊躇して、長らく手にしていなかったクリスマスアルバムの名盤をやっと買いました。
 このアルバムから生まれた"Christmas time is here."は、クリスマスソングの定番として数多くのアーティストにカバーされていますね。この曲からもわかるとおり、オーソドックスなジャズの素敵な演奏を楽しめます。
 タイトルの通り、スヌーピーのアニメ番組のサウンドトラックとして録音されました。初演は1965年、昭和40年です。僕らが「オバQ音頭(オバケのQ太郎)」 でバカ踊りをしていた頃、アメリカの子供達はこんな洒落た音楽でクリスマスを祝っていたなんて、ビックリです。
 わたしのようにスヌーピーが気になって手にしなかった人は、なんで今まで避けていたんだ!と後悔し、スヌーピーにだまされて手にした人は、その思いがけない出合いに感謝する、そんなアルバムです。