2012年3月13日火曜日

わんわん忠臣蔵 - 白川大作(1963)

 子供の頃の、たぶん夏休み、子供会の映画会がありました。近所の公園にスクリーン(もしかしたらシーツだったかも)を張って、星空の下、地べたに座ってみんなでこの映画を観ました。そのあと、映画館でも観ましたし、TVでも見たかもしれません。ビデオがなかった時代に、こんなに何回も見た映画はありません。
 題名のとおり、動物たちを主人公にした忠臣蔵です。大石内蔵助は犬のロック。吉良上野介は虎のキラー。四十七士は野良犬たちでした。森の仲間たちや悪役の子分たちなど、大勢いる登場人(?)物にも個性豊かなキャラクターが並び、彼らの一挙手一投足を見ているだけでも楽しかったおぼえがあります。
 クライマックスの討ち入りの舞台は、しんしんと雪の降りしきる動物園。爆走するジェットコースターの上で繰り広げられるロックとキラーの決闘シーンには、何度観ても手に汗を握って見入ってしまいました。今でも、キラーがレールに爪を立ててジェットコースターを止めようとする、悲鳴のような音が耳に甦ってきます。
 ジェットコースターやトロッコを使ったアクションシーンはその後もいろいろな映画で見ましたが、わたしにとっての原点でありベストでもあるのは、この映画の決闘シーンです。