2012年8月18日土曜日

わたしは風 - カルメン・マキ&OZ (1975)

 高校の学園祭で喫茶店をやりました。誰かがこのアルバムを持ってきて、BGMにかけていました。
 「わたしは風」が始まった瞬間、カウンターの後ろから吹いた爆風に店の中のものがすべて吹き飛んで、ガラス窓を破って校庭へ飛び散ってしまったような衝撃を受けたことを今でも覚えています。
 当時はちょっとポップなサディスティック・ミカ・バンドやプログレっぽい四人囃子、重たい感じのクリエイションなんかを聴いて日本のロックを知ったかぶっていたのですが、それがいったい何だ。これこそロックだぞ!と打ちのめされた思いでしたね。
 疾走感あふれる演奏、力強いボーカル、歌詞も良いですね。はじまりは演歌っぽい(笑)かもしれませんが、 忍ぶ女じゃありません。自由な生き方、みたいなものに憧れました。
 今でも日本のロック名盤のトップを争う曲であることには間違いありません。

Tommy - Ken Russell / The Who (1975)

 初めて映画の試写会に行ったのが「Tommy」でした。映画情報誌「ぴあ」の懸賞に応募して当てたものです。「ぴあ」がメジャーになりかけていた時期で読者が少なかったのか、その後も何本か当たった記憶があります。
 会場は中野サンプラザ。映画の試写会なのに前座があって、金子マリ&バックスバニーが出てきました。プロのロックバンドを生で聞くのも初体験で、しかも好きなバンドだったのでとてもうれしかったのを覚えています。
 ロンドンオリンピック閉会式のトリはThe Whoでしたね。久しぶりに"See Me, Feel Me"を聴いてこの映画を思い出しました。"Pinball Wizard"もKaiser Chiefsのカバーで演奏されていましたね。
 まだMTVが無かった時代だったので、映画化されたことによって音楽だけではわかりにくかったRock Operaの全容が明らかになりました。Ken Russellの少しイッちゃってる感じの演出も良かったですし、Eric CraptonやTina Turnerなど豪華なキャストもビックリでしたね。三重苦のTommyがカルト教団の教祖のようになっていくストーリーは、今の人たちの趣味には合わないかもしれませんが、音楽は今でも違和感なく聴けるのではないでしょうか。あの時代には、間違いなく傑作でした。
 オリンピックに話を戻せば、できれば開会式のPaul McCartneyと逆だったら良かったかな、と思います。昔のようにPete Townshendがブンブンと腕を振り回し、Roger Daltreyがマイクを砲丸投げのように回したら盛り上がっただろうな。
 そうすれば、ポールは最後の最後に"The End" を歌えたのにね。

2012年8月14日火曜日

Wish You Were Here - Pink Floyd (1975)

 ロンドンオリンピックが終わりましたね。
 数々の名勝負もさることながら、開会式・閉会式で演奏された数々のBritish Rock & Popsには圧倒されました。BGMとして、時にはメインテーマとしてわたしの、あるいは世界の人々の人生を彩ってきた名曲ばかりです。特に閉会式は感涙ものでしたね。
 英国の音楽がどれほど世界の人に愛されているか、またそのことに英国の人々がどれほどの誇りを持っているかを改めて感じさせてくれました。
 ところで、その閉会式のNHK中継ではアナウンサーのしゃべりが邪魔でせっかくのコンサート(ショー)が楽しめなかったという批判がTwitterで爆発しているとか。
 わたしの好きなこの曲も演奏されました。Pink FloydからはドラマーのNick Masonが参加。スタジアムのスクリーンにはEchoes冒頭の歌詞 "Overhead the albatross hangs motionless upon the air."からインスパイアされたと思われる渚に飛ぶ鳥の映像が映されています。三角形のスタジアム照明がアルバム「狂気」のプリズムに見えます。綱渡りをしていた男性が待っていた男と握手すると、アルバムジャケットそのままに相手が燃え上がってエンディングとなりました。
 まぁ、Pink Floydに興味がなければそんなことはどうでも良いのですが、NHKのアナウンサーは完全にスルーしてオリンピックの思い出話をしてましたね。苦笑いです。
 ともあれ、"The Dark Side of the Moon"(狂気、1973)や"The Wall"(1979)の陰に隠れがちなこの名曲(アルバム)に光を当ててくれたオリンピックにありがとうと言いたいです。