2016年12月27日火曜日

Kī Hō'alu Christmas - Various artists (1996)

 クリスマスは終わってしまいましたが、悲しい記事で終わるのはイヤなのでもう一枚。海外ではまだ Holiday Season ですからね。
 ハワイのミュージシャンたちによるホリデイアルバムです。スラックキーギターによるゆる~い感じの演奏が和みます。
 年末年始の休暇(Holiday)をハワイで、と言うと芸能人みたいですが、常夏の島でこんな音楽を聴きながらゆったりと過ごせたらいいですね。
 まだ、仕事納めや大掃除、お正月の準備などで大忙しの方も多いと思いますけれど、この音楽を聴きながらほっとひと息。幸せな気分に包まれてまたガンバロウという気持ちになれますよ。それとも、もうみんなほっぽり出して、お休みにしちゃおうかな。
 みなさんにとって、来年もよい年でありますように。

2016年12月26日月曜日

Last Christmas - Wham! (1984)

 クリスマスが明けた朝、悲しいニュースが入ってきました。
 なんと、よりによってクリスマスの日に、George Michael (Wham!) が亡くなったというのです。
 彼が歌った Last Christmas は、今やクリスマスの定番曲として、この時期聴かない日はないぐらい有名になりましたね。発表から30年以上が経って多くの人にカバーもされています、 と書こうと思って、わたしのライブラリーを見たら、意外に歌っている人が少なくてビックリしました。
 やっぱり、オリジナルが良い、ということなのでしょうか。
 カバーの中では、わたしは Taylor Swift のバージョンが好きです。失恋の唄なのに、それを明るく吹き飛ばすような、去年は振られたけど今年はわたしが見返してあげるわ、という感じの元気な歌声が印象的です。
 今年のクリスマスは、亡くなった人の話ばかり書いていた気がします。年をとるとそういうことが気になるようになるのですね。
 しかたないとは思いつつも、寂しいです。

2016年12月23日金曜日

Ashanti's Christmas - Ashanti (2003)

 クリスマスって、やっぱり子供のものですよね。サンタさんがプレゼントを持ってきてくれるのを心待ちにするあの気持ち、いつまでたっても忘れることができません。
 Ashantiのクリスマスソングは、そんな幸せなクリスマスの日々を思い出させてくれる温かさに満ちています。
 失恋の歌無し。はしゃぎすぎてガチャガチャしたパーティーソング無し。壮麗な讃美歌や静かすぎる癒しの歌声みたいなのも無し。かと言って、Jackson 5みたいな子供の唄でもありません。
 まだ愛だの恋だのを知る前の、少し大きなお姉さんと過ごしたクリスマスの甘酸っぱい思い出みたいなものが、まぶたの裏に浮かんできます。
 たまには、お酒を呑まないクリスマスもいいかもね。ちょっと、そんなことを思いました。

2016年12月22日木曜日

12 Nights of Christmas - R. Kelly (2016)

 Bugs BunnyとMichael Jordanがアニメと実写で競演した映画"Space Jam"(1996)が好きです。映画も面白かったですが、Soundtrackもいいですよ。
 そのアルバムの収録曲"I Believe I Can Fly"をヒットさせたのがR.Kellyでした。わたしにとっては20年ぶりのご無沙汰ですが、まだまだ元気でご活躍の様子ですね。
 TOWER RECORDSのPOPには"<性夜>でなく<聖夜>"、"師匠特有のエロ全開も健在"などと書かれていて、どんな人なんじゃ!と突っ込みたくなりますが、手に入れたのが輸入盤で、歌詞カードが付いていないので詳細は不明です。
 讃美歌無し、過去のヒット曲無し、全曲オリジナルのHoliday Albumというのは珍しいですね。しっとりと大人の夜に寄り添ったR&Bの好盤に仕上がっています。
 ジャケット写真でKellyの旦那は、ウィスキーと葉巻を手に「女子供は帰んな」とでも言っているかのように見えますね。夜も更けた大人の時間に、少し照明を落とした部屋で聴くのが良いかも。

2016年12月16日金曜日

Real Christmas - The Real Group (2007)

 なにもない雪原で、焚き火を囲んで暖をとる人々。凍った湖の上のようにも見えますが、まさか、そんなところで焚き火はしないですよね。でも、それができるぐらい寒いところなのかも、とも思えます。
 夜が明ける前のしじまの時でしょうか。イエスキリスト誕生のお告げを聴く前の羊飼いたちのイメージにも見えます。
 スウェーデンのアカペラグループです。
 写真のイメージ通りの静かで敬虔なコーラスから始まり、ポップな曲も挟みながら素敵なクリスマスの夜を演出する歌声を聞かせてくれます。
 ライブ録音もあって、ディナーショーに参加しているような雰囲気も味わえます。贅沢なディナーですね。
 スウェーデン語の歌詞ももちろん、選曲も日本やアメリカのものとは違って新鮮です。なかでも、サンタ・ルチアにはビックリしました。
 北欧では12月13日にルシア祭(聖ルチア祭)というクリスマスの前祝いみたいなお祭りがあって、その時にサンタ・ルチアが歌われるのだそうです。
 船乗りの唄かと思っていましたが、北欧で歌われるものは歌詞もちがって聖ルシアを讃美する内容になっています。
 言われてみれば、「サンタ」は英語なら「セイント(Saint)」。聖人のことですね。サンタルチアもサンタクロースもキリスト教の聖人の名前だということに、今さらですが気付かされました。
 愛だの恋だのいう最近のクリスマスソングはもういいよ、という方にオススメ。心洗われる美しいコーラスを聴いて良いクリスマスをお過ごし下さい。

2016年12月14日水曜日

A Pentatonix Christmas - Pentatonix (2016)

 Pentatonix 2枚目のホリデイアルバムがでました。
 相変わらず素敵なハーモニーですね。
 ボイスパーカッションなども交えたアカペラとは思えないコーラスが、「超絶!凄ワザ」的な扱いを受けているきらいもありますが、そういうことを抜きにして、純粋に音楽として素晴らしい仕上がりだと思います。
 Leonard Cohenの"Hallelujah"、Kanye Westの"Coldest Winter"など癖のある選曲も彼ららしい感じですし、オリジナル曲もイイ感じ。全体的にドラマチックなイメージを受けるなかに、絶妙のバランスで割り込んでくる軽快な"Up On The Housetop"や"Good To Be Bad"も効いていますね。
 クリスマスらしい雰囲気を味わうなら前作の方がいいかも知れません。少し通好みな出来かな、と思いました。

2016年12月10日土曜日

Christmas Kisses - Ariana Grande (2014)

 若い人です(笑)。 1993年生まれですから、今まで紹介した人たちの孫世代ですね。
 かわいい!
 これまでは宗教的行事であり、子どもたちのお祭りでもあったクリスマスが、大人の男女、つまり恋人たちのモノになったのは1980年代以降でしょうか。
 日本で「恋人がサンタクロース」(松任谷由実(ユーミン)、1980)、「クリスマス・イブ」(山下達郎、1983)がそういう雰囲気を決定づけた頃、海の向こうでWham!がヒットさせたLast Christmas(1984)で始まるこのミニアルバムに収められているのは、まさにそういう若い感覚の歌ばかり。
 キリスト生誕の賛美も家族と過ごす楽しいクリスマスパーティーもなく、彼女の頭の中にあるのは彼のことだけ。別れてしまった彼、好きになった彼、これからめぐり逢うかも知れない誰か。なんて書くと、ちょっと言い過ぎかも知れませんが、これが今の若い人の思うクリスマスなのかな。
 お爺さんは遠い目をして、しみじみとそんなことを思うのです。
 今年(2016)リリースされたChristmas & Chillは、またがらっと雰囲気が変わって大人になったなぁという感じ。あぁ、なんか、孫の成長を見守るお爺さんみたいになってますね。子供のままでいて欲しいような、素敵な大人にもなって欲しいような。
 わたしはこっちの方が好きかなぁ。

2016年12月9日金曜日

I Believe in Father Christmas - Greg Lake (1975)

 年寄りの紹介ばかりだったので若い人を…、と思っていた矢先にGreg Lakeの訃報(12月7日没)が届きました。春のKeith Emersonに次いで、ELPの二人が相次いでなくなるとはショックです。
 わたしはどちらかというとKing Crimsonの方がよく聴きましたね。あの優しい歌声が好きでした。
 彼の歌ったクリスマスソングがこれ。シングルとEPでの発表だったので、残念ながら今では入手が困難です。コンピレーションアルバムでも、採用されている盤が少なく、カバーもあまりされていないようですね。わたしも2008年にSarah Brightmanの歌で聞くまで知りませんでした。
 と言うことは、みんなは「サンタさん」(Father Christmas)を信じていないのかな。
 素敵なクリスマスになるかどうかは(平和な世界になるかどうかは)あなた次第、"The Christmas we get we deserve"という最後の歌詞が印象的です。
 ところで、彼の墓碑(Epitaph)には、なんと書かれるのでしょうか。

A Christmas Carole - Carole King (2011)

  Merry Christmasをスペイン語ではFeliz Navidad、ハワイではMele Kalikimaka。どちらもそれをタイトルにしたクリスマスソングがありますね。
 英語圏でも、アメリカの場合はキリスト教以外の人たちに配慮して、Happy Holidaysと言うのが主流になっています。
 で、そのキリスト教以外のケースですが、ユダヤ教ではHappy Hanukkahと言います。ハヌカーというお祭りが、ユダヤ暦の第9月25日からあるのですが、それがたまたまこの時期なのです。今年(2016)はちょうどクリスマスイブ(12月24日)から8日がお祝いの期間に当たります。
 このアルバムのタイトルはChristmas CarolとCarole KingにかけたChristmas Caroleですが、米国盤だけはHoliday Caroleとなっています。Chanukah Prayerという曲がおさめられているのは、Carole自身がユダヤ教徒だから。ほかとはひと味違ったHoliday Albumですね。
 彼女は1942年生まれで、このアルバムを出した時には70直前でしたが、年齢を感じさせない若々しい歌声が素敵です。かわいいおばあちゃんっていますよね。まさにそんな感じ。
 いいですね。

2016年12月8日木曜日

Merry Christmas, Baby - Rod Stewart (2012)

 前回は亡くなった方の話をしたので、今度は生きている人。
 Rod Stewartって、もう70歳を超えているんですね(1945年生まれ)。年寄りのロッカーと言えばMick Jagger(1943年生まれ)と思っていましたが、彼もそんな年だったとは思ってもみませんでした。若く見えますよね。
 ロッドは去年(2015)、ストーンズも今年新譜をリリースして、いまだに元気いっぱいです。
 讃美歌無し。やっぱりそういう柄じゃないですよね。失恋の歌無し。さすが色男は違うよね。早く家に帰りたい的な郷愁の歌も無し。爺さんになったら外には出ないんだよ。
 相変わらず色っぽいしわがれ声で、素敵なクリスマスの夜を演出してくれます。Michael Bublé、Mary J. Blige、Ella Fitzgerald(virtual duet)、Dave Koz、Trombone Shortyなどロック以外のミュージシャンをゲストに迎えて、ホテルのディナーショーみたいな感じに仕上がってますね。
 イイ感じに年取ったなぁ。ちょっと、うらやましさを感じる一枚です。

2016年12月7日水曜日

超入門!落語 THE MOVIE (NHK総合 水曜日 22:50 ~ 23:15)

 閑話休題。
 子供の頃に見たアメリカのアニメに、全体は普通のマンガなのに、唇だけが妙にリアルで気になって仕方がなかったのがありました。わたしの記憶のなかでは「ディック・トレイシー(The Dick Tracy Show)」だったのですが、今、YouTubeで見直すと違うようです。
 当時は違和感の理由がわからなかったのですが、大人になってからそれが「リップシンク(Lip Synch)」のせいだと判明しました。
 日本のアニメでは口はパクパク開いたり閉まったりするだけで、口の形と台詞は連動していません。手抜きの作品だと、喋っていない時に口が開いたり、その逆だったりすることもあるぐらい。 それが、外国(少なくともアメリカ)では違うのです。
 実写の動物映画でも子豚が主人公の「ベイブ(Babe、1995)」あたりから、口の部分だけCGに差し替えて、完璧なリップシンクを実現するようになりました。

 前置きが長くなってしまいましたが、NHKのこの番組、落語を映像化して見せてくれるのですが、ただストーリーをなぞるだけではなく、なんと落語家の話に同時進行で映像を当てるという方法をとっています。しかも台詞は落語家の噺にリップシンクさせるという高等技術。百戦錬磨の役者さんばかりか、子役の鈴木福君まで見事な当てぶりの演技を見せてくれて驚きます。
 落語が面白いのはもちろん、その見事なお芝居も楽しみで、パイロット番組の頃から好きだったのですが、今秋からレギュラー番組に昇格しました。
 子供の頃はまだお笑い番組に落語の演目がありましたが、最近はとんとお目にかかりません。歌舞伎のように古典芸能扱いされて、若者からは難しいものと敬遠されているようです。
 これをきっかけに、また落語が身近なものになってくると良いですね。

2016年12月6日火曜日

These Are Special Times - Céline Dion (1998)

 今年は、正月早々のDavid Bowie(1/10)に続いて、Glenn Frey(Eagles)(1/18)、Maurice White(EW&F)(2/3)、Keith Emerson(EL&P)(3/10)、Prince(4/21)、冨田勲(5/2)、Leon Russell(11/13)と、わたしたちの世代にとって青春の支えだったアーティストたちが相次いで亡くなり、記憶に残る年になりました。BeatlesのプロデューサーだったGeorge Martin(3/8)もそうでしたね。
 彼らの陰に隠れていましたが、Céline Dionもマネージャーだった夫(1/14)と兄(1/16)を亡くしました。彼女が家族との時間を大事にしたいと言って一時活動を休止する直前に出したクリスマスアルバムがこれです。 
 そう思って聞くと、アルバムタイトルもプレゼントを抱いた彼女のジャケット写真も、特別なものに見えてきますね。
 ディーヴァ(diva)という呼び名が流行り始めたのはいつ頃からだったでしょうか。今では「歌姫」と訳されて、少し歌がうまいぐらいの歌手でもディーバと呼ばれることがありますが、本来は圧倒的な歌唱力を持つオペラ歌手を讃えて言う言葉で、「神々しい」という意味もあるそうです。
 そういう意味でまさにディーヴァと呼ぶにふさわしい彼女が、遺憾なくその素晴らしい歌声を聞かせてくれる一枚です。荘厳に力強く、時にしっとりと歌う彼女からの、愛と幸せに満ちたクリスマスプレゼントです。 

2016年12月1日木曜日

Hooray for Christmas - Janet Seidel (2011)

 この時期になると財布と相談して誰のクリスマスアルバムを買うか迷います。毎年、たくさんのアーチストがそれぞれに趣向を凝らしたアルバムを発表しますが、すべてを集めるわけには行きません。
 というわけでこのアルバムは、何年も欲しいものリストにノミネートされながら、落選を続けています。ジャケットがカワイイでしょ。でも、歌声を聞くともうちょっと大人の雰囲気です。日本人受けするようにデザインを変えていますね。
 「ジャズシンガーがクリスマスの曲を歌ったら、こういう感じになるんだろうな。」と想像する、まさにそのものズバリな感じが気持ちいいのですが、そこがまた難点でもあるのです。
 つまり、当たり障りがなさ過ぎて、「欲しい。買いたい!」ってならずに何年も過ぎてしまいました。
 ことしも早々にリストから漏れたので、とうとうレンタルショップで借りてきました。
 案の定、そつなく気持ちいい歌声に魅せられて、何度も聞いています。オーストラリアの人ですが、White Christmasをフランス語で歌っていたりして、JAZZ=おしゃれと思っているリスナーの心をうまくつかんでいますね。
 買いたくないけれど、Heavy Rotationしてしまう、不思議な魅力のあるアルバムです。

2016年11月28日月曜日

Christmas In The Heart - Bob Dylan (2009)

 年末恒例のクリスマス特集です。
 今年のノーベル賞(文学賞)はボブ・ディラン、と聞いた時にはびっくりしました。音楽も文学なのか?と言う驚きもさることながら、そういう権威みたいなものから一番遠い存在みたいに勝手に思っていたので。
 その思いは世間一般の人も同じだったらしく、彼が受章を受諾するのか辞退するのか、けっこう話題になっていましたね。
 と言うわけで、彼のクリスマスアルバムからスタートです。
 わたしは初期のディランしか知らないので、クリスマスアルバムもノーベル賞同様ディランらしくないと思っていましたが、'80年前後にはゴスペルのアルバムを出していたりして、敬虔なキリスト教徒の顔も持っているんですね。
 オリジナル曲はなく、どれも馴染みのある曲ばかり。あのだみ声で歌われると、クリス・レアかルイ・アームストロングかななんて思ってしまいそうです。
 偏屈じいさんかと思いきや、意外と気さくな性格で、お酒を呑むとゴキゲンになって歌い出す。そういう人っていますよね。このアルバムのディランは、なんか、そんな雰囲気です。
 なかでも"Christmas Island"は、スパリゾートハワイアンズの舞台でフラダンサーに囲まれたお爺さんがニヤニヤしながら唄っているような感じで唖然としてしまいました。
 プロデューサーの名前がJack Frostだったので、クリスマスに掛けたしゃれかと思ったら、セルフプロデュースの時にディランが使う名前らしいです。本当はクリスマスが大好きなのかもね。

2016年4月5日火曜日

花は咲く~アニメスター・バージョン~ (NHK 不定期)

 震災からずっとNHKで放送されている「花は咲く」。有名人が歌ったり、一般の人たちが投稿したり、これまでさまざまなバージョンがありましたね。
 この春、遂にアニメスター・バージョンが出ました。
 番組の合間に挟まれて予告もなしに放送されるので、ある日突然、レオが走ってくるシーンから始まる映像を見た時にはびっくり。続けてちびまる子ちゃんとたまちゃんが手をつないで現れた時点で、もう泣きそうです。あとからあとからアニメの名場面が現れ、それがすべて歌詞とシンクロしているのです。
 僕たちはこうして昔から、アニメに励まされ、慰められ、導かれてきたんだなと改めて思います。震災に関係なく、普遍的なメッセージとして心に響きます。今までの誰が歌ったバージョンよりも感動しました。
 あわててデジタル番組表を探して次の放送を録画。何度も見返しています。