2016年12月7日水曜日

超入門!落語 THE MOVIE (NHK総合 水曜日 22:50 ~ 23:15)

 閑話休題。
 子供の頃に見たアメリカのアニメに、全体は普通のマンガなのに、唇だけが妙にリアルで気になって仕方がなかったのがありました。わたしの記憶のなかでは「ディック・トレイシー(The Dick Tracy Show)」だったのですが、今、YouTubeで見直すと違うようです。
 当時は違和感の理由がわからなかったのですが、大人になってからそれが「リップシンク(Lip Synch)」のせいだと判明しました。
 日本のアニメでは口はパクパク開いたり閉まったりするだけで、口の形と台詞は連動していません。手抜きの作品だと、喋っていない時に口が開いたり、その逆だったりすることもあるぐらい。 それが、外国(少なくともアメリカ)では違うのです。
 実写の動物映画でも子豚が主人公の「ベイブ(Babe、1995)」あたりから、口の部分だけCGに差し替えて、完璧なリップシンクを実現するようになりました。

 前置きが長くなってしまいましたが、NHKのこの番組、落語を映像化して見せてくれるのですが、ただストーリーをなぞるだけではなく、なんと落語家の話に同時進行で映像を当てるという方法をとっています。しかも台詞は落語家の噺にリップシンクさせるという高等技術。百戦錬磨の役者さんばかりか、子役の鈴木福君まで見事な当てぶりの演技を見せてくれて驚きます。
 落語が面白いのはもちろん、その見事なお芝居も楽しみで、パイロット番組の頃から好きだったのですが、今秋からレギュラー番組に昇格しました。
 子供の頃はまだお笑い番組に落語の演目がありましたが、最近はとんとお目にかかりません。歌舞伎のように古典芸能扱いされて、若者からは難しいものと敬遠されているようです。
 これをきっかけに、また落語が身近なものになってくると良いですね。

0 件のコメント: