2012年7月12日木曜日

Foul Play - Colin Higgins (1978)

 "Foul Play"を辞書で引くと、「反則・ずる」と並んで「暗殺・殺人」という意味が出てきます。ローマ法王の「暗殺」をテーマにしたロマンチックコメディですが、背の小さい人やメラニン色素の少ない人、変態男や日本人のお上りさんなど、「反則」すれすれの登場人物や演出についても匂わせているタイトルです。
 死体なき殺人の謎はどうなっているのか、法王暗殺の陰謀をいかにして防ぐか、そういうストーリー関係はあまり意味をもちません。繰り返されるショートギャグの連発に笑い転げる映画です。ヒッチコック映画のパロディもちりばめられています。古い映画ですから、ギャグもヒッチコックも今の人にはわかりにくいかもしれませんけど、難しいことを考えないで楽しみましょう。何も知らなくても普通に面白いですよ。いや、普通以上に面白いこと請け合いです。
 いろいろなことにうるさくなった今、この手の映画を作るのは難しいかもしれませんね。下品な笑いにしない演出の手際が素敵です。
 主役のゴールディ・ホーン(Goldie Hawn)のキュートな魅力もさることながら、これがハリウッドデビューとなったダドリー・ムーア(Dudley Moore)の強烈なキャラクターは30年以上経った今でも忘れられません。アカデミー賞にノミネートされた主題曲を歌うバリー・マニロウの顔が彼にそっくりで、当時ヒット曲を連発していた彼を見るたびにダドリー・ムーアの顔を思い出して吹きだしてしまい、とても困りました。

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