2011年10月2日日曜日

The Driver - Walter Hill(1978)


 強盗を逃走させるためだけに雇われた「ドライバー」をライアン・オニールが演じる、その名も"The Driver"。
 深夜のロサンジェルスを疾走するカーチェイスのシーンが見所なのはもちろんですが、プロ意識の高いthe driverが、気に入らない依頼人の車を超絶のドライビングテクニックでボコボコに壊してしまうシーンや、ただ逃げるだけではなく、最後はチキンゲーム(※)できっちりと決着を付けるところなど、男の美学みたいなものが表現されていて、古い時代劇や西部劇を観ているような気分にさせられます。
 無駄口を叩かない登場人物たちには名前もなく、屈折した過去や一夜のロマンスみたいな余計な味付けもありません。無駄な景色の映り込まない夜の街を舞台に、裏世界の駆け引きが淡々と語られていきます。「ハードボイルド」とはちょっと違うかもしれませんが、ドカンボカンとけたたましいだけの昨今のアクション映画にはないクールな味わいが忘れられない映画です。
※ チキンゲーム : 正面衝突覚悟で両側から猛スピードで車を走らせ、先に逃げた方が負けという決闘シーン

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