2012年1月15日日曜日

運動靴と赤い金魚(Children of Heaven) - Majid Majidi(1997)

 イランの映画です。
 この記事を書こうとして、初めて原題(英題)を知りました。「天国の子供たち」。まさにそのとおりの明るく無垢な子供たちの姿に感動します。近年の欧米諸国との対立やイラン・イラク戦争の殺伐とした状況を見ると、とても同じ国の子供たちとは想像できません。その落差に驚きます。
 物語は一足のぼろぼろな運動靴を巡って進んでいきます。現代の日本では想像できないような貧しさのなかで暮らす子供たちのお話です。かつては、日本にもこんな時代がありました。豊かさと引き替えに、わたしたちは何かを失ったんじゃないかな。そんなことを思い起こさせられます。
 だからと言って、貧しくても良いと言うわけではありません。 何とかして彼らを助けてやれないものかとやきもきします。クライマックスのマラソン大会。妹に履かせる靴を勝ち取るために、兄は懸命に走ります。「ガンバレ!」と思わず声が出ます。
 その結末はここでは伏せますが、ラストシーン、走り終わった兄がほてった足を金魚の泳ぐ噴水で冷やすシーンにジーンと来て、泣き笑いになりました。

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