2010年10月19日火曜日

黒船 - Sadistic Mika Band(1974)

 中坊の頃は単純に洋楽がカッコイイと思っていました。高校に入ると、少し通ぶって見たくなります。そんな時に出会ったのが日本のロックバンド、クリエイション、四人囃子、カルメンマキ&オズ、そして加藤和彦(トノバン)率いる"サディステイック・ミカ・バンド"でした。
 今で言うJ-POPのような洋楽風味の歌謡曲ではなく、本当のロックがここにあるぜ。そんな風に粋がって友だちと話した憶えがあります。
 4つのバンドの中ではサディステイック・ミカ・バンドが一番無難というか、ポップスに近い雰囲気がありましたね。トノバンの人柄が表れていたような気がします。
 2006年に木村カエラをボーカルに迎え、"タイムマシーンにお願い"が再録されてビールのCMで流れていたのを懐かしく聴きました。あの曲をイメージしてこのアルバムを聴くと、Pink FloydのEchoesのような静かな一曲目にちょっと面食らいます。それも束の間、曲のイメージはめまぐるしく変わり、畏れ多くもBeatlesのSgt.Peppers…を彷彿とさせるような緩急をつけた構成で、ぐいぐいとアルバムの終盤まで引っ張られてしまいます。何度聞いても飽きることがありません。
 「オヤジの繰り言」ではありますが、70年代初めの日本のロックシーンを思うと、最近の音楽はどれを聞いてもイマイチな感じがぬぐえません。

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