2012年1月14日土曜日

Capricorn One - Peter Hyams(1977)

 先日、職場で事件がありました。4つある監視カメラのうちの一つ(仮に2カメとします)が止まってしまったのです。そのカメラの映像として、ある時点での誰もいない静止画が延々と映し出されていたのですが、元もと人の出入りの少ない場所なので、しばらく誰も気づかないままになっていました。
 その結果どうなるかというと、4面に分かれた映像を見ていると、1カメに映った人が2カメのエリアに来ると消えてしまいます。あるいは、その先の3カメに突然人が現れてビックリします。四六時中監視カメラの映像とにらめっこをしているわけではないので、ちょっと目を離している隙に2カメの下を通り過ぎてしまったのだろう、と思っていたのですが、あまりにも人が消える事件が続くので同僚にカメラの下を歩いてもらって原因を突き止めました。
 驚いたのは、わたし以外の誰も人が消えると思っていなかったこと。みんな、カメラを信じ切っていたのです。監視カメラの映像をすり替えて、その裏で銀行強盗などを働くというトリックがありますが、まさか自分たちがそれを体験することになるとは思っても見ませんでした。
 この映画では、地球で撮影した映像が火星からのライブ中継と偽って全世界に配信されます。その秘密をめぐって、NASAと宇宙飛行士、そして、その秘密を暴こうとする新聞記者がサスペンスドラマを繰り広げます。国家の陰謀と善良な市民の闘い。アメリカ映画はこう言うのが好きですよね。実際に、アポロ11号の月面着陸を特撮による陰謀だと信じている人たちもいるそうです。
 CG全盛の今なら、似たようなことがどこかで本当に起こっているかもしれません。あるいは、この映画とは逆に、「見せない」ことによって真実を曲げて伝えている例が実際にあるのではないでしょうか。
 ラストシーンは、この手の映画の中では白眉だと思います。こう言うのが、わたしは好きです。

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