2012年1月8日日曜日

Field of Dreams - Phil Alden Robinson(1989)

 夢は必ず実現する。アメリカ映画のお決まりのテーマですね。
 そしてもう一つ。繰り返し描かれるのが「家族との和解」。父、母、兄弟、妻、夫、子供。和解できないままに長い年月を過ごしてしまった(時には永遠に別れてしまった)ことをくよくよと悔やんでいる姿は、あの自信満々で鼻持ちならない(偏見ですか、すみません)アメリカ人と同じ人種とは思えません。
 神の声(?)に導かれ、とうもろこし畑をつぶして野球場を作ってしまう男の話。そんな馬鹿げた夢を家族が支えます。家族愛、これもアメリカ映画の定番ですね。その球場にシューレス・ジョー・ジャクソンをはじめとする往年の野球選手たちがやってきます。しかし、彼が実現させた本当の夢は球場を造ることではありませんでした。
 静かな語り口でストーリーが進んでいきます。手に汗握るアクションシーンや熱いラブシーンに馴染んだ最近の人のなかには物足りないと思う人もいるかもしれません。でも、この映画を悪く言う人には今だかつて会ったことがありません。
 いくつかの心温まるエピソードの後に迎える映画のラスト。出来上がった野球場で主人公がキャッチボールをするシーンでは涙が止まらなくなってしまいます。その相手は、和解できないままに永遠に別れてしまった父。
 ところで、今手に入るDVDのジャケットのデザインは壊滅的に酷い出来で腹が立ちます。ケビン・コスナーが得意げなポーズで立っているだけ(たぶんアメリカのオリジナル版)ではこの映画の魅力が一切伝わってきません。日本公開時のポスターに使われていた、アイオワの広い空の下に主人公の家族を配したデザイン(たぶん日本オリジナル版)にあふれる幸福感こそがこの映画の魅力だと思うのですが、皆さんはどう思われますか。

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